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情報過多の時代に生きること

カテゴリー: Message:伝えたいこと


今日は水曜日なので、私たちシューリパブリックの工房はお休みです。

そして、いつものことですがこのお休みを利用して、仕入れのために浅草へ行ってきました。

今日は仕入れてくるものが少なかったので、交通手段は電車です。

最寄駅から浅草までは、時間帯によっては乗り換えナシで行けるので、とっても便利なのです。

私は出張などの時もそうなのですが、電車に乗って考え事をするのが好きで、今日も浅草までの1時間強を考え事の時間に使いました。

 

ところで、このブログを含めて今はインターネットを経由して簡単に情報を発信することができます。

私が考えていること、お伝えしたいこと、さらにはお客様からのご意見もインターネット経由で簡単にやり取りができます。

簡単だからこそ、その情報量は必要以上に多くなってしまい、必要な情報を得ることが難しくなるという、本末転倒ともいえる状況になっています。

そうなると、私たちのような作り手、もしくは商品を提供している側は、たくさんのお客様に私たちのことを知っていただこうとして、いわゆるより伝えられる広告(SEO対策など)に手間をかける必要が出てきます。

かつての広告の範囲がインターネットにまで広がった結果で、この広報活動はじつはとっても大変な作業になっています。

ですから、その作業を専門の会社に依頼して、持ちつ持たれつでバランスを保っているというのが今の世の中ということになります。

 

私も年に1度そんなセミナーに出て、世の中の動きを勉強したりしていますが、ビジネスの一部として考える分には楽しいものの、純粋にモノを作ってお客様に届けたいと思っているという立場から見れば、納得がいかない部分もあります。

世の中には、本当は大したものではないのに宣伝によって良いと判断されてしまったり、逆にとっても優れたものなのに全然評価されないというモノもあります。

往々にして、地味にまじめにモノづくりをしていて、職人気質で口下手な作り手というのがそういったケースに当てはまるわけです。

運も実力というくらいですから、プロモーション力も実力のうちと言えば、間違いではありませんが。

 

私たちシューリパブリックは、そんな時代の流れを理解しつつ、古臭いかもしれませんが作り手とお客様が直接お会いして温かみのある商売をしていきたいと考えています。

誰のために作るのかわからないようなモノではなく、このお客様のためにというモノづくりをして、低空飛行ながら遠くまで飛べるようなビジネススタイルです。

先日NHKで放送していた、中国のインターネット通販の会社を立ち上げる若者たちの番組を見て、私たちは彼らとは真逆の立ち位置にいるのだと感じました。

私たちが本当に良いと思うものをこだわりを持って作り続けていくのです。

 

インターネットが中心にある現代のスマートなやり方は、だれよりも早く頂点にたどり着き、それを一気に普及させてたくさん売るというスタイルのように思います。

もしそれが今の正解だったとすれば、数年後にはまた違った正解があるはずで、私たちはそれをムキになって追いかけることはしません。

私たちらしいスタイルで、私たちが良いと思う方法をもって、しっかりとお客様と向き合っていきます。

電車の中でボーっとしながらビジネスのことを考えていて、やっぱりやさしい気持ちがあるビジネスがいいなぁって思いました。

 

足に合っていて履きやすくて疲れにくい靴は、絶対に誰もが必要としていて、でも多くの方々はそれを体験したことがないために、良い靴のベクトルがどこか違う方を向いていて、まだ靴に関心を持っていただけないのだと思います。

このことも、この情報過多の世の中で上手に伝えていかなくてはいけないことであり、私たちに課せられた仕事のひとつです。

今年も、たくさんの方々に伝えていかなくてはいけませんね。

モンキーブーツ

 

シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダーメイド靴をお作りしています。

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メールアドレスは mail info@shoe-republic.com です。

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2 responses to “情報過多の時代に生きること”

  1. アリマ says:

    高山さん、こんにちは。

    今は、ボタン一つでZOZO TOWNやAmazonから既製品の靴が届く時代ですから、既製品の価値が以前より落ちているように感じます。メルカリなどのフリマアプリもこのことに拍車をかけています。

    また、輸入既成靴の価格はどんどん上がっていて、イギリスの高級品なんか1足が18万円もするので、それだったら高山さんのところで作ってもらったほうが、旅費を考えてもリーズナブルです。

    これからは、流行や奇抜なデザインの靴よりも、ベーシックなデザインで足にあっている靴に価値が出ると思います。

    ヨーロッパのブランド品よりも、日本の(特に海外で勉強されてきた)作り手とスタイリストの時代だと僕は思ってます。

    • shoe republic says:

      アリマさん、コメントありがとうございます。
      私たちも、費用対効果に関しては既成品に負けないと思ってます。
      遠くの方から運んでくるわけでもなく、たくさん作ってロスのぶんまで考える必要もありません。
      お客様のご要望に合わせて丁寧に作るわけですから、ムダが無いですよね。
      あとは、お客様のお好みです。
      アリマさんのように本質を見てくださる方もいれば、ブランドで選ぶ方もいます。
      ともあれ、誰もがもっと関心を持って見れくだされば、ダメな商品が減っていくはずです。

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