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クリッキングの話

カテゴリー: Hidden Story:こぼれ話

革

クリッキングとは、革を裁断する作業のこと。 今日はその作業から始まりました。 おおよその方が想像されるかと思いますが、靴のパーツを裁断するとゴミが出ます。 それも、かなりの量です。 上の写真は、ゴミがあまりにも多かったので半分以上片づけた後の写真です。 なぜゴミが出るかというと、靴のパーツはどんなに合理的に上手に組み合わせても、必ず隙間ができるからであり、 さらに、革には靴に使えない部分がたくさんあるからです。 上の写真はイタリアのキップの革です。 この革は半裁と言って牛の身体を半分にしているもので、この革は身体の左半分です。 手前がお尻で右側が背筋、 そして左手前が後ろ足で左奥が前足、 向こうの方が首になります。 例えば上の写真のこの部分は、人間で言えばわきの下に相当する部分なのですが、実はこの部分は革の繊維がスカスカでちょっと引っ張ると伸びてしまうほどなので、靴には使えません。 ここは前足のわきの下に相当する部分で、ここも同じ理由で使えません。 上の写真で、私の手よりも左側はお腹周りになり、ここも基本的には使えません。 上の写真で、やはり私の手よりも左側は牛の首の部分になり、ここも基本的には使えません。 「基本的に」というのはどういうことかと言いますと、靴のパーツには優先順位というものがありまして、上位から「つま先(キャップやヴァンプ)」、「クォーター(横の部分)」、「かかと周り(独立したパーツがある場合)」、そして「ベロ」という順になります。 ベロを除くパーツは、靴の強度に影響するものなので、チャンと目の詰まった革を使う必要があります。 それに対してベロはというと、そもそもの目的が靴ヒモを締めたときに足の甲が痛くないようにということなので、むしろ腹回りや首のような繊維が多少荒い部分の方が都合が良いということになります。 そんなわけで、ベロに使える部分は比較的多いのですが、そんなにベロばかり必要なこともありませんので、使わない部分は捨てられてしまいます。 実際に革の裏側を見てみると、わきの下や腹回り、首の周辺は・・・、 こんなふうに、もともとの厚さが足りないということもあって、バサバサに毛羽立っています。   そんなわけで、実際に使えるのは1枚の革の3分の2ほどだったり、小さい革の場合は半分くらいになってしまうこともあるのです。 正直もったいないのですが、ちゃんとした靴を作るためには仕方がないことなのです。 ですが、時々靴には使えないけれど何かほかのモノなら使えそうな部分があって、そんな時には捨てずにキレイに丸めて箱に保管します。 いずれ、何かちょっと革で作るときが来るでしょうから、その時に使おうと思っています。   ★★★お知らせ★★★ 【 お知らせ 1 】 11月に愛知県一宮市にてイベントを開催します。 日頃から自らの手で作り出している実践的なクリエーターが集結して、パフォーマンスや商品の販売をします。 詳細はコチラをご覧ください。   【 お知らせ 2 】 9月30日(土)と10月1日(日)に、神戸三宮のSUNさんにて、靴のオーダー会のイベントを開催いたします。 なかなか埼玉のシューリパブリックの工房までお越しいただくのが難しい方、オーダーのチャンスです。 どんな靴を作っているのか、見にいらしていただくのも大歓迎です。   【 お知らせ 3 】 雨の日&出張用の靴は、只今ご注文を承っています。 こちらをご参照ください。 今年は茶系のギブソンシューズです。 受け付けは9月18日(祝)までの予定ですが、革がなくなり次第終了となります。 ご希望の方は、お早めにご連絡ください。   シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダーメイド靴をお作りしています。 スケジュールはこちらをご参照下さい。 打ち合わせ等でお越しいただく場合のお時間は、10時、13時、16時の中からお選びください。 ご検討中の方は、見学も大歓迎です。 旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。 メールアドレスは  info@shoe-republic.com です。

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