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オーダーメイド靴

今日は水曜日なので、私たちシューリパブリックの工房はお休みです。 ここ何週かにわたって仕入れに行くなどの用事があって、休日の水曜日に休めませんでしたが、今日はしっかりと休むことができました。 少し遅く起きて、お天気が良かったので家の窓掃除を手伝ったりして、なかなかお休みらしいお休みです。   先日、あるお客様と食べ物や飲み物の話になって、その結論は・・・、 「もう大人だから、安いものをたくさん食べるよりも、ちょっと高いけれど美味しいものを少しだけ食べたい。」 ということでした。 きっとそれは食べ物や飲み物以外においても言えることで、 例えば腕時計ひとつをとってみても、安い腕時計をたくさん所有するよりも、そこそこ高いけれど本当に気に入っているものを数本だけ所有したいとか、 ファストファッションのコートをたくさん所有するよりも、ちょっと高いけれど本当に気に入ったコートを数着だけ所有したいと思うはずです。 甲かな腕時計やコートは、初期投資がちょっと大変ですが、後々まで気に入って使うことができるので、振り返ってみれば決して買って損ではないはず。 それこそ、安さに負けてイマイチなものをたくさん買っても、結局は使った金額は変わらず、納得のいくものは何も残らないということになってしまうと、マイナスですよね。 先日も書いた通り、 「それを買う理由が金額なら、それはやめなさい。それを買わない理由が金額なら、それは買いなさい。」という誰かの名言の通りです。 私もやっと最近になってそのことが分かってきて、安いからという理由だけでは買わなくなりました。 特に、服に関してはデザインが気に入って値段が下がっていたとしても、サイズが合わないというのは完全なNGです。 最近では少々のプラスでパターンオーダー(サイズ調整可)という選択肢もありますから、自分に合ったサイズで着られるものを選びたいと思います。   革靴も然りです。 革靴の場合、服に比べてサイズを調整するとなると金銭的なハードルがやや高くなるかもしれませんが、普段革靴を履いているものとしてはそのハードル以上のメリットを感じることができると思っています。 靴の場合、じつは2つのポイントがあります。 ひとつは、足に合っているか否か。 正しいサイズ選びを含めて、その靴が足に対して正しいサイズなのか、幅が狭すぎないか、もしくは広すぎないかというポイント。 そしてもうひとつは、その靴がちゃんとした設計・つくりのモノか否か。 仮に、足にピタリと合っている靴であっても、残念な設計、残念なつくりの靴では歩いているうちに疲れてしまいます。 この2点をクリアして、履く方の足に対して最も良い状態であるのがオーダーメイドの靴です。 何とかというブランドの靴が好きで高価な靴を買うのは、それはそれで好きなのであればOKですが、ブランドの靴だからすべてOKというわけではないことを知っておいてください。 さらに深いところでは、オーダーメイドの靴の作り手は、作り手それぞれが独自のセオリーをもって靴づくりをしているので、単にオーダーメイド靴だからということでくくることができず、同じ足に対しても本当に全く違うアプローチで違う履き心地の靴が出来上がります。 これも、とっても興味深いことです。 なので、作り手とお客様の相性ということも大切な要素になってきますが、それでも年に1足とか2年に1足程度、足に合ったオーダーメイドの靴を作ってみるのは、なかなかの大人のたしなみなのではないかと思います。 気に入ったものが出来上がってくるという楽しみも、同時に味わうことができます。   シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダー靴をお作りしています。 今週末のスケジュールはこちら。 旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。 メールアドレスは  info@shoe-republic.com です。

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生地色ウェルト

今日、突然にこの組み合わせの靴がほしくなりました。 生地色のウェルトにネイビーのシュリンクの革。 ウェルトも革も実物よりも若干明るく写っていますが、特にネイビーの革はもう少し深みのあるネイビーです。 いつもなら、ネイビーのシュリンクの革に黒のウェルトを組み合わせるところですが、今日の気分は生地色のウェルトです。 そうすることで、かなりカジュアルな雰囲気の靴になります。 靴のデザインは、プレーンのギブソンブーツとかプレーンのチャッカブーツなどを考えていて、生地色のウェルトに合わせてソールのコバは無色のインクで仕上げるとイメージ通りです。   以前に、何かのサイトでこげ茶のプルアップの革に生地色のウェルトという組み合わせのブーツを見たことがありまして、それと似たような発想ですがちょっと違う方向性の靴になりそうです。 そう考えていたら、ますます欲しくなってきました。 どなたも作らないようでしたら、私が自分用のサンプルとして作ります。 もし、そんな靴や、それをベースにさらにアレンジした靴を作ってみたいという方、ご連絡お待ちしております。 ちなみに、こちらは年ほど前に作った生地色のウェルトのセミブローグです。 これも、格好良いなぁって思います。   シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダー靴をお作りしています。 今週末のスケジュールはこちら。 旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。 メールアドレスは  info@shoe-republic.com です。

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チャッカブーツ

今日のお客様は、埼玉県にお住まいのMAさんです。 ご注文いただいていた靴ぃが完成いたしましたので、納品&フィッティング確認のためにお越しいただきました。 じつはMAさん、土曜日にお越しいただく予定でしたが、この年末の多忙さにより体調を崩されてしまって、でも今日は回復されてお越しいただきました。 よかった、よかった。 早速履いていただきました。 今回完成したのは、キャメル系のカーフを使ったチャッカブーツです。 MAさんは、カーフのチャッカブーツという仕様がお気に入りで、毎回「よいカーフある?」というところから始まります。 私も、カーフに関してはあまり動かないので全てを記憶しているわけではないのですが、倉庫の中をゴソゴソと探してみるとなにか出てくるという事が多いです。 チャッカブーツを履いていただき、 「毎回少しずつ足にピタリと合うようになっているんじゃないかなぁ・・・?」 とおっしゃっていましたが、少し前からフィッティングの手法を少し変えたので、その影響が多少なりとも出ているのではないかと思います。 いずれにしても、以前に比べて履きやすくなったのは、好ましいことです。 MAさん曰く、 「日本みたいに頻繁に靴を脱いだり履いたりするようなところは、このチャッカブーツみたいに脱ぎ履きが靴ベラ無しで簡単にできる靴が本当に良いと思うよ。」 とのこと。 本当にそのとおりだと思います。 その他のケースでも、チャッカブーツはたくさん活躍しますよ。 そして、次は・・・と次の靴のご予定を考えていらっしゃいましたが、なんとなく今日のお話でおおよその仕様はわかりましたので、それらしい革を探しておきます。 また欲しくなった頃にお越しください。 今日はありがとうございました。 靴のスペック デザイン: チャッカブーツ レザー: カーフ ソール: リッヂウェイソール ラスト: マイサイズラスト(SRC+サイズ調整) 製法: ハンドソーンウェルテッド   シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダー靴をお作りしています。 今週末のスケジュールはこちら。 旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。 メールアドレスは  info@shoe-republic.com です。

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雨の日&出張用チャッカブーツ

今日は、2件の納品がありまして、午後からお越しいただいたのは埼玉県にお住まいのNWさんです。 NWさんも、雨の日&出張用の靴の納品&フィッティング確認のためにお越しいただきました。 早速履いていただきました。   こうして見てみると、みんな同じような仕様で同じようなチャッカブーツを製作しているのに、お客様によって全く雰囲気が違うのは、とっても興味深いところです。 足の形が細い方もいらっしゃれば幅広の方もいらっしゃいますし、甲のラインとか諸々の細かい部分で違いますね。 NWさんは、 「今までは雨の日には雨の日用として履いている靴があって、不本意ながらその靴を履いていましたが、これからは足に合った履きやすい靴を雨が降りそうな日にも履けるのが嬉しいです。」 とおっしゃっていました。 それにしても、NWさんのワイン色のパンツ、とっても格好良いです。   そして、こちらは今日履いていらっしゃったギブソンブーツ。 少し前に製作したもので、縦横にシボが入ったダークグリーンのジュートという革を使ったモノです。 革の馴染みが早くて、とっても快適なのだそうです。   NWさんは、私が知りたい温泉の情報や観光地の情報、更には観光地じゃない地方の町の情報をたくさんお持ちで、お越しいただくたびに細かく教えていただいています。 今回も、栃木方面と群馬方面の情報をたくさんいただきました。 今日もありがとうございました。     靴のスペック デザイン: チャッカブーツ レザー: キップ ソール: ダイナイトソール ラスト: マイサイズラスト(SRC+サイズ調整) 製法: ブラックラピド   シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダー靴をお作りしています。 今週末のスケジュールはこちら。 旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。 メールアドレスは  info@shoe-republic.com です。

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雨の日&出張用チャッカブーツ

さっそく話が脱線しますが、こちらが私たちシューリパブリックの工房の写真です。 Googleストリートビューで見ると、あまりキレイじゃない外観が写っているので、こちらも参考にしていただいえれば幸いです。 過去2回Googleストリートビューのクルマが回ってきているようですが、不運なことに2回ともお休みの時に当たってしまったようで、ちょっと残念です。 と言ったところで、営業の日に写真を撮られてもそう大きな違いなないかもしれませんが・・・。   さて、今日もお客様がいらっしゃいました。 午前中にお越しいただいたのは、東京都にお住まいのYNさんです。 YNさんは、ご注文いただいた靴が完成いたしましたので、納品&フィッティング確認のためにお越しいただきました。 早速履いていただきました。 今回完成したのは、最近納品が続いている「雨の日&出張用」のチャッカブーツです。 納品のたびにお客様に履き心地をうかがっていますが、やはりYNさんも私が思っていたほどのデメリットは感じないそうでした。 ハンドソーンウェルテッドは、製作においてそれだけ手間をかけていることと、私たちシューリパブリックのハンドソーンウェルテッドに関しては、更に履きやすくなるようにちょっとした工夫をたくさん加えているため、 どんなに頑張っても、ブラックラピドでハンドソーンウェルテッドに並ぶほどの履き心地は難しいのかもしれません。 ですが、出張や旅行の時に履くとか、雨の日でも気兼ねなく履くという目的に特化しているということを考えると、これはこれでとってもベクトルの長い靴だと思います。 履き心地だって、それほど大きな違いがあるわけではありませんから。 見た目は、至ってシューリパブリックのチャッカブーツです。 YNさんのパンツの裾の長さが、ちょうどブーツに良い感じです。 YNさん、今日もありがとうございました。   靴のスペック デザイン: チャッカブーツ レザー: キップ ソール: ダイナイトソール ラスト: マイサイズラスト(SRC+サイズ調整) 製法: ブラックラピド   シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダー靴をお作りしています。 今週末のスケジュールはこちら。 旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。 メールアドレスは  info@shoe-republic.com です。

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雨の日&出張用チャッカブーツ

今日のお客様は、東京都にお住まいのKKさんです。 ご注文いただいていた「雨の日&出張用」のチャッカブーツが完成いたしましたので、納品&フィッティング確認のためにお越しいただきました。   早速履いていただきました。 こちらは、ここ最近納品が続いています「雨の日&出張用」という企画で製作しましたチャッカブーツです。 こうして見てみると、実際のところハンドソーンウェルテッドの靴との見た目の違いはほとんど感じられません。 ただし、履いた感じはやや硬いのではないかと思います。 ハンドソーンウェルテッドの靴よりも、もっと実用的に履いていただくことを目的として製作しました。 実際、KKさんもお仕事で出張に行かれることもあり、 「これでだいぶ楽になりますよ。」 とおっしゃってくださいました。 KKさんはちょうど1年ほど前に初めて私たちの工房にお越しいただきまして、 その時にギブソンブーツをご注文いただいてしばらくお履きいただいたところ、シューリパブリックの靴を大変気に入っていただきまして、 その後も何足かご注文してくださいました。 KKさん曰く、 「本当に履いていて気持ち良いですよ。」 とのこと。   また、今日は革つながりということでとっても興味深いものをお持ち下さいました。 それは、インディ・ジョーンズ好きのKKさんならではのこちらのものです。 日本ではまだあまりメジャーではありませんが、スポーツウィップと言って、スポーツとしての鞭の競技があるそうです。 その鞭だそうです。 初心者が振り回したところで「パシン」という音は出ないそうで、キレイな音が出せるようになるにはしっかりとインストラクターの方に教わって十分な練習が必要とのこと。 KKさんに教えていただくまで、鞭は何かに当って音が出るものと思っていましたが、そうではなく鞭の先の部分が音速を超えたことで音が出る仕組みなのだそうです。 いつもいつも本当に勉強になります。   「今日もまた1足お願いしようと思っていまして・・・。」 とのことでしたが、ギブソンブーツは足をしっかりと押さえてくれて、チャッカブーツは脱ぎ履きが楽なのに快適で、どちらにしようか・・・ と、かなり迷っていらっしゃいました。 ですが、最終的にはちゃんと仕様も決まりまして、数カ月後の完成を楽しみにしていてください。 KKさん、今日もありがとうございました。 靴のスペック デザイン: チャッカブーツ レザー: キップ ソール: ダイナイトソール ラスト: マイサイズラスト(SRD+サイズ調整) 製法: ブラックラピド   シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダー靴をお作りしています。 今週末のスケジュールはこちら。 旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。 メールアドレスは  info@shoe-republic.com です。

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雨の日&出張用チャッカブーツ

今日は、TSさんからご注文いただいていた「雨の日&出張用のチャッカブーツ」を納品しました。 残念ながらTSさんはお仕事の都合でお越しいただけなかったため、発送にて納品させていただきました。 先ほどTSさんから到着のご連絡があり、ちゃんと無事に靴が到着したようです。   先日も書きましたが、今回のこの「雨の日&出張用」という企画は、出張や旅行などでお出かけになった時に、スペアの靴を持っていくことなく1足の靴で数日まかなえるようにというご要望にお応えしたもので、レギュラーの商品ではなくいわゆる企画モノという立ち位置になります。 今後も、もしご要望があればまた同じような企画で、もしくは少々変更を加えて発売したいと思います。   また、この雨の日&出張用の靴は、すでに何足か納品させていただいていますが、まだお客様からご感想を頂いていないので、もし何かお気づきになったことがありましたら、ぜひお知らせください。 この仕様の靴は、私自身もテストで数ヶ月間履きまして、製法がハンドソーンウェルテッドではなくブラックラピドであるため、若干ソール周りが硬く感じました。 言い方を変えれば、カチッとしているとも言えますので、この辺りはお好みなのかもしれませんね。   ところで、TSさんはシューリパブリックのお客様の中で最もたくさんの靴をご注文いただいたお客様です。 たしか、今回の靴が18足目だったはず。 ですが、ただムダにたくさんご注文いただいたわけではなく、ちゃんと使う目的や合わせる服をお考えになっていらっしゃるので、すべての靴をしっかりと履いていただいていることと思います。 また、TSさんはお仕事で出張にも行かれていますので、今回のチャッカブーツもフル活用してくださることでしょう。 TSさん、ありがとうございました。 靴のスペック デザイン: チャッカブーツ レザー: キップ ソール: ダイナイトソール ラスト: マイサイズラスト(SRC+サイズ調整) 製法: ブラックラピド   シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダー靴をお作りしています。 今週末のスケジュールはこちら。 旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。 メールアドレスは  info@shoe-republic.com です。

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修理靴

先日、このブログでご紹介しましたCさんのチャッカブーツの修理が、無事に完了しました。 たしか、前回はウェルトをかけたところまでご紹介していたと思います。 その後、シャンクをセットし、ボトムフィラーをセットして、更にソールを仮留めして、昨日だし縫いがかかりました。 そして、今日の午前中にはその続きを進め、お昼前には一緒に進めていたもう1足の靴と共に無事完成しました。 ちなみに今回の修理のメニューは、6年ほど履いたチャッカブーツのオールソール交換&ウェルト交換、そしてウェルト交換にともなってボトムフィラーやシャンクなども新しい物に交換するというものです。 私たちシューリパブリックでは、初めてのオールソール交換を時には一緒にウェルトも交換することをおすすめしています。 というのも、ハンドソーンウェルテッドの靴の場合、ウェルトを縫い付けている相手が革のインソールの裏側に加工したリブであり、 これが履き始めから数年の間に靴が馴染むのと一緒に若干のヤセが生じ、ウェルトを縫っている糸に僅かながら緩みが発生するのです。 なので、靴が馴染んだ以降にウェルトをかけ直すと、その後はウェルトがしっかりと縫われた状態を保つことができるとともに、靴のしっかり感が戻り、足に馴染んだ靴と相まってとっても履きやすくなるのです。 作業的には、かなり手間がかかる作業ではありますが、お客様に気持ちよく履いていただきたいという意味を込めて、かなり割安な価格設定にしています。 こうして見ても、6年履いた靴にはとても見えないくらいしっかりしています。 もちろん、履いた感じもしっかりしているはず。   普段から、シューリパブリックで製作した靴の修理は私たちで対応したいと思っていますが、 カカトのトップピースのみの交換のためにわざわざ工房へお越しいただいたり、もしくは靴を送っていただくのはさすがに申し訳ないので、 カカトの修理のみの場合はお近くの修理屋さんでの修理をお勧めしています。 ですが、ウェルト交換やオールソール交換となると、これはラストがないと履き心地が変わってしまうこともありますし、 じつはシューリパブリックの靴は、ソールを剥がしてみると結構複雑な作りになっているため、私たちのところにお持ちいただくかお送りいただくことをお勧めしています。   Cさんのこのチャッカブーツは、今日発送させていただきました。 明日には到着することと思いますので、到着したらまたたくさん履いてください。   シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダー靴をお作りしています。 今週末のスケジュールはこちら。 旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。 メールアドレスは  info@shoe-republic.com です。

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カッターナイフ

それにしても、寒くなりました。 私のクルマは、聞くところによるとキーの電池の消耗が極端に早いそうで、寒くなるといつバッテリーがなくなるかひやひやです。 買ってから9ヶ月くらい経ちますが、すでに1度キーの電池を交換しています。 そんなわけで、クルマのキーホルダーとしてスペアの電池をつけてみました。 こんな、いわゆるいつもカバンの中に折りたたみ傘を入れているようなタイプの人間は、大物になれないと言われそうです。   さて、今日は水曜日なので、シューリパブリックの工房はお休みです。 そして、今日も仕入れなどのために浅草へ行ってきました。 先週はレザーフェアと仕入れで、その前の週もやはり用事があって、ここのところ毎週のように浅草へ行っています。 でも、おそらく今年は今日が最後になるはず。 そう願っています。   午後からは、小間物の買い出しでホームセンターへ。 我が家の近くには比較的大きなホームセンターが何軒かあって、でも今日は最寄りのホームセンターではちょっと用が足りなかったために、群馬県まで行ってきました(と言ってもクルマですぐなのですけど)。 私が買ってきたのは、こちらです。 これらだけなら、最寄りのホームセンターでも売っているのですけどね。   私は、靴を作る上でかなりカッターナイフを多用します。 パターンを切るとき、革のクリッキングのとき、インソールのトリミングをするとき、ラスティングの終わったアッパーのトリミングをするとき、ソールの仮止めをした後のトリミングの時、そのほかにもたくさん使います。 おそらく日本の職人さんたちが革用の包丁を使うような作業でも、私はカッターナイフを使うことが多いです。 その理由は、包丁は使っていると刃が切れなくなってくるのでその都度研ぐか何らかの処置をしなくてはいけませんが、カッターナイフであれば刃をポキッと折ればよく、作業効率的に見て圧倒的に速いためです。 イギリスの靴の学校では、パターンを切るときにはカッターナイフを、革を切るときにはクリッキングナイフという専用の工具を、そしてそのほかのラスティング以降の時にはブレードというこれまた専用のナイフを使っていました。 でも、思いのほかカッターナイフで代用できる作業もあり、それが可能な作業においてはカッターナイフを使うようにしています。 なので、その分カッターナイフの刃の消費が激しいのです。 ちょっとでも切れなくなるとすぐにポキッと折ってしまうので、10足分のクリッキングを終えるまでに、だいたい刃が1枚以上なくなります。 切れない刃物は危険ですし、裁断面が汚いのはいけませんから、これでよいと思います。   ところで、私が使っているかったナイフの刃は、よく見るシルバーの刃ではなく「黒刃」というヤツで、よく壁紙を貼るクロス屋さんが使っているものと同じです。 黒刃は、焼きの関係で切れ味が良いぶん歯がこぼれやすく、一長一短ではありますが、ポキポキと頻繁に折って使うには問題ありません。   時々お客様からご指摘されるのですが、私の靴つくりは作業効率を比較的重要視していて、職人らしくないとのこと。 私は、自分の満足のためにあえて手をかけすぎるようなもの作りは好きではなく、クオリティを落とさずにできるだけ合理的に良いものを作り、その分コストも削減するというのが基本的な考えです。 それは、たぶん私が靴づくりの中でその靴が出来上がっていく過程を楽しんでいて、その靴を工業製品的を見るような目で見ているからかもしれません。 日常にガシガシ履いていただくための靴ですから、工芸品ではなく工業製品だと思っています。   シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダー靴をお作りしています。 今週末のスケジュールはこちら。 旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。 メールアドレスは  info@shoe-republic.com です。

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ボトムフィラー

カテゴリー: Hidden Story:こぼれ話

ボトムフィラー

ボトムフィラーとは、靴のインソールとソールの間の隙間に詰める詰め物のこと。 一般的に、コルクを使うことが多いとされています。 私たちシューリパブリックでも、こちらのコルクを使っています。 私たちが使っているのは、あらかじめシート状になっているシートコルクと呼ばれるものです。 シートコルクに対して粒状のコルクがあり、どちらを選ぶかは作り手の考え方次第と言えます。 私たちシューリパブリックがシートコルクを選んだ理由は、圧倒的に作業効率が良いこと、そして理想とするクオリティのシートコルクが入手できるため。 粒状のコルクを使う場合、コルクを接着剤などで練って靴に塗り込み、暫く乾かしてから次の作業に進みますが、シートコルクはシート状になっているために練る必要も乾かす必要もありません。 必要な形に切って余分な部分を削り落とせばOKなのです。 さらに、練りコルクの場合は靴になってから潰れる割合が比較的大きいのに対し、私たちが使っているシートコルクはそれほど潰れません。 そんなところも、シートコルクが私たちの考え方に合っている部分です。   私たちが使っているシートコルクは、厚さが6ミリのモノです。 一般的に言われるのは、グッドイヤーウェルテッドにおいては3ミリほどのインソール+6ミリのコルクのボトムフィラーで、 ハンドソーンウェルテッドの場合は6ミリほどのインソールに薄いコルクのボトムフィラーという組み合わせです。 その理由は、何でもかんでも厚ければよいというわけではなく、厚すぎるとフワフワしたり落ち着きがなくなったりして歩きにくいため、適当な値というものがあるわけです。 私たちもその考え方に則っていて、6ミリのコルクを使っても取り付けてから接地面側を丸く削るので、丸々6ミリが残っているわけではありません。 厚いインソール+だいたい4ミリほどのコルクのボトムフィラーとなっています。 いくら硬いシートコルクを使っていても、靴を履いて歩いていれば多少はコルクが潰れます。 私たちシューリパブリックの靴のセッティングは、少し履き込んで馴染んできた頃をスタートとして見ているため、およそ半年くらい履き込んでやっと足にフィットし、その頃に歩きやすくなるようになっています。 写真のような極端なソールのラウンドもなくなり、だいぶ歩きやすくなるのです。   シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダー靴をお作りしています。 今週末のスケジュールはこちら。 旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。 メールアドレスは  info@shoe-republic.com です。

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