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芯材

最近、食の安全に関する記事をよく目にするような気がしています。 最近見た記事では、あるスーパーで販売されていた食品に発がん性が疑われる成分が入っていたというのがありました。 そういうのはパッと見てわからないことですし、そもそも食に関することは私たちの健康に直結することですから、あまりにも安いものは疑ってかかってしまいます。 もしかしたら、提供してくださる方が本当に善意でやってくださっているのかもしれませんが、わからないというのは本当に残念なことです。 世の中に存在する製品のほとんどは、見えないわからないことだらけではないでしょうか? 素人目には、シャツの生地の違いなんて分かりませんし、スーツの芯の違いもわかりません。 どうしてこれは安いのだろう?という疑問が解決できないことばかりです。 常に直接生産者や専門家に聞きたいです。 たぶん、靴に関してもそのような疑問を持っていらっしゃる方がたくさんいることでしょう。 私は靴を作る立場なので、例えば子供の靴を買いに行った時に、これはお買い得だとか、これは安いけれどそれなりだということがちゃんとわかります。 一般的に、既製品の靴においては見えないパーツのコストカットが激しく行われているということも珍しくありません。 でも、私はそういうのが嫌いで、むしろ見えない部分にどんどんコストをかけています。 見えない部分は、単に何の役にも立っていたいわけではなく、見えない部分こそ実用面において重要な役割を果たしています。 こちらは、シューリパブリックのハンドソーンウェルテッドの靴に芯に使う革ですが、トーパフ(つま先の芯)はこれ1枚で、スティフナーはこれを2枚重ねにして使います。 結構厚いのです。 ちなみにこれは何かといいますと、いわゆる床と呼ばれるもので、インソールやウェルトなどに使うヌメの革を漉いた時の漉きとられた方です。 漉きとたれたと言っても単なるごみではなく、靴の世界ではこういうモノも結構使っていまして、その中でもこれは比較的ギン面に近くて繊維が整っているものです。 かなりしっかりしていますよ。 厚さは2ミリほど。 つまり、スティフナーは厚さが4ミリになります。 そんなに厚いものがカカトに入っているとは思えませんが、ラスティングの時に締めるために叩くものの、実際にはかなりの厚さの芯が入っています。 トーパフの目的は足のつま先を保護するためなので形が出ていればまぁ良いのですが、スティフナーは足をしっかりとホールドする必要があるので、クタクタな素材では役に立ちませんし、硬すぎては足を痛めてしまいます。 でも、世の中的に見てこういう部分に気を遣っている靴が思いのほか少ないのが非常に残念なところです。 トーパフの形は、デザインにも多少関係があります。 ストレートキャップの靴の場合は、キャップのラインに沿った芯を使います。 プレーンやウィングキャップなどの場合は、 このようなちょっと太めの三日月のような形の芯を使います。 理想の形は太めの三日月の方です。 インソールやボトムフィラーのコルクに関しましても、これまでも書いております通りかなりこだわりを持って良い素材を使っています。 大手のメーカーと違って私たちのような小さな工房はブランド力がありませんので、実際に履いていただいてモノの良さをお客様に知っていただいて、そのうえでまた買っていただく必要があります。 ですから、ちょっとくらいのコストダウンをするより、多少割高になっても良いものを作ってお客様に気に入っていただくことが大切なのだと思っています。 ★★★お知らせ★★★ #SRF×オックスフォードは、オーダー受付中です(16足限定)。詳細はこちら。 シューリパブリックでは、日常仕様の快適オーダー靴をお作りしています。 今週末のスケジュールはこちら。 旧ブログ(2016年3月25日まで)はこちら。 メールアドレスは  info@shoe-republic.com です。

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